格安スマホ業者に行政処分 広告表現に気を払う重要性

消費者庁は4月21日に格安スマホ業者「プラスワン・マーケティング」(ブランド名:フリーテル)に対して、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に違反する広告表示をしていたとして、行政処分を行いました。
内容は消費者庁のプレスリリース(PDF)に詳述されています。これを受けて、プラスワン・マーケティングがお詫びを掲載しています。

同社はNTTドコモ回線を利用したMVNOとしてデータ通信サービスのほか、端末メーカーとしても多くのSIMフリースマートフォンなどをリリースしている大手格安スマホ業者です。
NHKの報道によると、同日に開かれた消費者庁の会見では他業者にも適正な表示に務めるよう求めたとのことで、競争激化による行き過ぎた広告表現に警鐘を鳴らした格好の様です。

広告表現に携わる際は、事業者の規模を問わず景品表示法に気を払う必要があります。広告表現と言っても、マスコミに出稿する様な広告だけではなく、今回のような自社サイトやSNSなども含まれるので注意が必要です。
景品表示法の趣旨を簡単に表現すれば「根拠のない表現をしてはならない」「ウソをついてはならない」と極めて常識的なものと言えます。国会で現在審議されている「テロ等組織犯罪準備罪法案」などは賛否が分かれますが、景品表示法はほとんどの人が納得するような内容でしょう。
したがって、自らの広告表現について常識的に問題ないか考え、また、客観的な視点や一般消費者の立場として見ることが大事です。

企業のような組織ではプロジェクトが進行する中で問題を指摘しにくい、などということがあるかもしれません。しかし、行政処分を受けるとコンプライアンス(法令遵守)がなっていない会社と見られてしまい、大きなイメージダウンに繋がります。業種や内容によっては消費者の反感を買ってしまい、不買運動やネット“炎上”といった事態も考えられます。
(行政処分が違法・不当であれば行政不服審査法に基づく不服申立てを行う、或いは、違法であれば行政訴訟を提起することができます)
言うまでもなく信用・信頼は重要な無形資産で、得るのは大変ですが失うのは一瞬です。どうしても社内で防げない場合は、弁護士や行政書士といった法律の専門家など第三者にストッパー役を依頼することが必要かもしれません。

注意:本記載は記事投稿時点でのものです。最新の法令を必ずご確認下さい。本記載内容の完全な正確性は保証しかねます。