ラジオメディアの意外な多様化

残念ながらメディア界では地味な存在となってしまっているラジオですが、近年ネットラジオを中心に多様なサービスが展開されています。

ご存じの方も多いradikoは居住地域の放送が電波状況を気にせず聴取できますし、タイムフリーで1週間という期限付きながら時間を気にせず過去の番組を聴取できます。手元に記録の残らない点がかつての“エア・チェック”と異なりますが、大変便利で画期的なサービスです。いつかは、テレビでもこのようなサービスが展開されるかもしれません。
また、有料サービスとなりますが、日本各地の局の放送を聴けるエリアフリーもあります。各地の空気感を楽しめるほか、居住地域ではネットされていない番組を聴く手段にもなります。
なお、radiko類似のネットラジオサービスとしてLISMO WAVEドコデモFMもあります。

そして、洋楽ファンに根強い人気のある在日米軍向けラジオのAFN(旧FEN)でもネットラジオを展開しています。アメリカンテイストな放送が一日中楽しめます。
ネットラジオを通じて良音質でAFNが聴けるというのは洋楽ファンにとっては夢のような出来事と言っても過言ではありません。

本来の電波のラジオにおいても、AM局の難聴取化に対応したワイドFMがスタートしており、「音が悪いAM」という概念が崩れてきています(AFNはワイドFM未展開です)。

マスなテレビに対して、ラジオは音楽やトークでリスナー(聴取者)に寄り添う身近なメディアです。忙しい現代人にとって“ながらメディア”としてラジオを見直す向きもありますが、個人的にはもっとプレゼンスがあって良いように思います。

ちなみに、東京で聴取できるラジオ放送は
NHK第一(AM)
NHK第二(AM)
AFN TOKYO(AM)
TBSラジオ(AM、ワイドFM有)
文化放送(AM、ワイドFM有)
ニッポン放送(AM、ワイドFM有)
ラジオ日本(AM、神奈川)
NHK-FM(FM
TOKYO FM(FM)
J-WAVE(FM)
InterFM897(FM)
FMヨコハマ(FM、神奈川)
NACK5(FM、埼玉)
bayfm(FM、千葉)
FM-FUJI(FM、山梨)
ラジオNIKKEI第一(短波)
ラジオNIKKEI第二RN2(短波)
と改めて挙げると沢山あります。さらにコミュニティFMのある地域もあります。しかし、これでも海外の大都市に比べると局数が少ないそうです。

※余談ですが、J-WAVEの看板ナビゲーターだったルーシー・ケントさんが2017年3月に著書『ラジオに恋して ぼくらのラジオデイズ1980-2016』を出されています。ラジオの関する書籍は少ない中、懐かしいエピソードや秘話がたっぷり詰まっているオススメの一冊です。