MVNO+Androidに慣れた私が大いに戸惑っているY!mobile+iPhone 後編

Y!mobile+iPhoneに乗り換えて、セットアップしていたところ2つの壁にぶつかりました。

  1. 二段階認証のSMSが一部受信されない
  2. 1と関連しApple IDの扱いにくさ

「二段階認証のSMSが一部受信されない」

ネットの様々なサイトではIDとパスワードで本人認証するわけですが、情報流出による不正ログインというセキュリティリスクにされされており、特に使い回しをしている場合は流出によってそのサイトだけではなく他サイトにも不正ログインをされてしまう恐れがあります。
そこで一部のサイトでは二段階認証として、SMS(ショートメッセージサービス)やメール宛にワンタイムパスワード(一回限りのパスワード)や4桁などのコード番号が送られてくるような仕組みとなっており、二重確認でセキュリティリスクの低減を図っています。

そのSMSの一部が受信されないという現象に陥り、今も解決していません。Y!mobileではデフォルトでSMSの迷惑メール設定がされているようなのでそれで弾いてしまっているものもあったようですが、全てOFFにしても受信できないものがありました。
傾向として海外発信のもの?が多い様で、Twitter、Dropbox、さらにApple IDも含まれています。iPhoneなのにApple IDのSMSが受け取れない…灯台下暗しとはこのことでしょう。

前述の通り迷惑メール設定を全てOFFにすることがユーザー側として出来る限りなので、まずはY!mobileに電話で問い合わせたところ、OFFにしている以上はサイト側の問題ではないか、という一般的な回答しか得られませんでした。
また、Apple IDの件はAppleに問い合わせ、三大キャリア以外ではSMSが受信できないという事例が複数報告されている、とのお話でした。これが事実であれば、Y!mobile経由で製品を販売しておきながら、問題は認識しているもののまだ施策をしていないということになり、ちょっと無責任な印象です。ちなみに、Y!mobile側はそのような問題を認識していないという姿勢のようです。

この問題の難しさは要素が複合的でSMSを発信するサイト側に問題があるか、通信ネットワークに問題があるか、私のiPhone端末自体の切り分けが難しいことにあります。特にサイト側についてはキャリアもメーカーも関与できない部分です。
この様な複合要因のトラブルは、パソコンで経験されている方もいらっしゃることでしょう。パソコンを小さくした格好であるスマホでも、当然ながらこの様な事象が起こりうるということを痛感しました。この点、ガラケー(フィーチャーフォン)は比較的閉ざされた世界であったので解決しやすい面があるかと思います。しかし、ガラケーもいわゆる「ガラホ」と呼ばれる筐体やデザインはガラケーでもOSはAndroidでネット接続を前提にしているものが主流となっていくため、単純にはいかなくなるかもしれません。

「Apple IDの扱いにくさ」

Apple IDはiOSやMacを利用する際には必要不可欠な存在になっています。今回、前述の通りSMSで二段階認証(正式には「2ステップ確認」)のコード番号が受信できませんでした。
幸いにも私はiPadを所有していたためそちらでコードを取得できました。2ステップ確認は「信頼できるデバイス」として登録したApple機器でもコードが受信できます。
逆に言えばiPadがなければApple IDへログインが出来なくなるところでした。再度になりますが、iPhoneなのにAppleからのSMSが受け取れないというのは本末転倒と言わざるをえません。
最終手段として復旧キーを保存しておけば、それを利用してログインすることが出来ます。ただ、私自身が2ステップ確認を設定したのはいつか覚えておらず、その復旧キーもその際保存したのかという記憶がありませんでした。

また、扱いにくさという点で特に言及したいのが前述した「信頼できるデバイス」への登録です。今回iPhoneをセットアップしていた際にApple IDにもログインしたのですが、ログインしたからと言って必ずしも「信頼できるデバイス」に登録される訳ではないようです(この点は確証がなく保証はできません)。

私の場合、iPhoneのセットアップ後にApple IDのサイトで設定状況を見直していたら「信頼できるデバイス」にiPhoneがリストアップされていなかったので、手動で追加しました。

なお、「2ステップ確認」は今や旧来のものの様で、「2ファクタ認証」に移行しつつあるようです。セキュリティのため仕方がないのでしょうが、また設定し直しか、と面倒に思ってしまいます。
iCloudとの関連性も複雑だったりと、個人的にはApple IDのシステムはGoogleやMicrosoftに比べて煩雑に思えます。シンプルさや使い心地の良さはAppleの最大の優位性で支持を集めてきた要因でしたが…
もちろん、技術とサービスの変化が激しい今、後付で様々な機能が追加されていわば「増築を重ねている建物」の様な状況になり当初より複雑化しているということは、ITの様々な分野で見受けられます。色々と便利になっている一方、不便さも感じるという矛盾です。

長々と書いてきてしまいました。最後に、私個人の意見として、iPhone(iOS)はやはりAndroidより使いづらいです。ファイル操作がiTunesを通さなければならない不便さについては、AndroidのUSBメモリ感覚とは雲底の差です。これは、iPhoneの発想の原点である昔のPDAがパソコンとシンク(同期)するという考えだったので、それを未だに引きずってきている部分で仕方がないかもしれませんが、パソコン所有者が減っている今の時代にはそぐわないところです。
iOSも登場から長年経過し、機能を増築してきたため設定箇所が増大・分散してきており、わかりにくくなってきています。この点Androidはドラスティックに変えていたり、メーカーがカスタマイズしたりして使い勝手は上回っているように思います。

   
左からiPhone、Android、ガラケーの音設定画面。iPhoneはアラームの音量設定がない。

しかし、それ以上に不便なのは、アラームの音量だけを個別に設定することが(表面上は)出来ない、ということです。着信音や通知音と同じ音量になってしまうのです。アラームを目覚ましとして使うので音量は大きくしたいけど、着信音量は小さくしたいというニーズは非常に多いでしょう。アラームの音量を個別に設定できることはガラケーやAndroidでは当たり前の機能だったので、ビックリしました。
検索したところこのような方法でアラーム音量だけ最大には出来るようですが、これはバグなのでしょうか?それとも裏技なのでしょうか? 素直にアラーム音量を調整できないことはAppleらしからぬと思いガッカリしました。
前述の通り、Appleのシンプルさや使い心地の良さは自他共に認めるところかと思います。だからこそ、私はAppleを他メーカーより厳しく見てしまいます。先述したSMS未受信も、売っておきながら無責任と映ります。画期的な製品でイノベーションを起こしてきたのは事実ですが、Appleを手放しに賞賛する風潮には疑問を呈しています。
逆に言えば、このようなきめ細やかさは日本メーカーの得意分野だったわけで(過剰すぎたところが敗因の要因でもありますが)、スマホ市場で存在感が出せていない現状には何とも残念な思いになります。iPhoneは日本のi-mode等を参考にしたと言われています。スマホの次となる将来のデバイスで日本メーカーが覇権を取れるか、そして、OS等のソフトウェアは特に日本は弱いところですが挽回できるか…末尾だけではとても語れない大問題ではありますが、何とか頑張って欲しいところです。